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こんにちは、地域密着56年 愛知県日進市の工務店 伊駒建設です。
いつもご覧いただきありがとうございます。
今日は「地中熱利用換気システム」を農林総合技術センター様邸に導入した物件のご紹介です。
地中熱利用換気システムをグリ石から発想、暖房コスト80％削減！
太陽光エネルギーを利用した蓄熱式のイチゴ栽培に取り組んでいます。
目次
イチゴ栽培の光熱費削減の背景
日本のイチゴ生産のほとんどを占めるハウス促成栽培において、冬期に安定収穫量を得るためには、燃油暖房機でハウス内を8～10℃に維持することが不可欠です。しかし、近年の燃油価格乱高下は、イチゴの生産コスト変動を大きくし、経営を不安定なものにしています。さらに、地球温暖化対策の観点からも農業における温室効果ガス排出削減が求められており、燃油暖房機の代替となる暖房技術開発が求められています。
イチゴ栽培における地中熱利用システムの概要
住宅用「地中熱利用換気システム」をもとに、イチゴ栽培ハウスの太陽エネルギー蓄熱利用システムを考案しました。ただ、住宅と異なり、透明フィルムで被覆するパイプハウスは、集熱能力が極めて高い一方で蓄熱能力が乏しいです。地中熱回収パイプは住宅の冷房不可軽減に有用であるが、本実証はイチゴ栽培ハウスの蓄熱用としてグリ石蓄熱層に着目しました。
イチゴ栽培における地中熱利用システムの検証概要
【材料および方法】イチゴの省エネルギー栽培システム（以下：システム）は、2013年に報告した仕様の構造としました。同規模の栽培ハウス2種を、試験ハウス（150㎡：次世代パイプハウスにシステムを組み入れ、温風暖房機で気温を4℃以上に維持、）と対照ハウス（163㎡：温風暖房機で気温を8℃以上に維持）としました。システムの送気ファンは、時間制御（09：00-16：00稼働）から、温度制御（暖気吸気口温度＞グリ石蓄熱槽温度でON、暖気吸気口温度≦グリ石蓄熱槽温度でOFF）に改良し、2016年12月1日より2017年3月31日まで稼働させました。さらに、ハウス内気温4℃以下でシステムが稼働し、グリ石蓄熱槽の残存熱エネルギーを放出させ、ハウス内気温を維持するように改良しました。また、試験ハウスは蓄熱するため、冬期の換気が少なく、低CO２環境になるため、日中にCO２施用を行いました。両ハウスに品種かおりの及び紅ほっぺを2016年9月23日定植し、山口型高設栽培歴に準じた栽培管理を実施しました。矮化抑制のためのジベレリン処理および電照処理は行われませんでした。両ハウスのイチゴ各品種の収穫（1区10株4反復）、ハウス内外の気温、燃油使用量及び、システムの使用電力を測定しました。
イチゴ栽培における地中熱利用の効果
【結果および考察】
システムの稼働方法を温度抑制にすることで、使用電気量を7割低減することができました。試験ハウスでは、この冬最も気温が下がった1月25日でも室内温度を概ね4℃以上を確保でき、シーズンを通し燃油使用量は0でありました。暖房コストは80％削減できました。試験ハウスのかおりの、紅ほっぺは、対照ハウスを上回る収量が得られました。増収にはＣＯ２施用や前夜半の温度が対照ハウスより高いことが寄与していると考えます。本研究は、農林水産省産地リスク軽減技術総合対策事業のうち省エネ設備等技術確立支援事業の採択を受けて実施しました。
イチゴ栽培における地中熱利用システムの概要
デッドスペースとなっていたイチゴ高設栽培槽下の空間にグリ石を積み上げてフィルムで覆い、ハウス余剰熱送気と直達日射で蓄熱すれば、冬期でもグリ石温度は約20℃まで高まります。このグリ石層で夜間は栽培槽を保温する構造としました。本システムは、作業空間および植物体の受光量を減らすことなく、イチゴ栽培ハウスの余剰熱蓄熱が可能となります。夜間のハウス内気温は成り行きとなるが、イチゴの温度感応部位である株元を含む栽培槽を12℃以上に維持できる（山口市気象条件）ため、冬期植物体の矮化を防げます。ハウス内気温が4℃以下まで下がりイチゴ果実に凍害の恐れがある場合には、非常時対応として、送気ファンによりグリ石蓄熱をハウス内に放出します。本システムは、晴天日には安定した暖房負荷軽減能力を発揮し、曇天や雨天が続いた場合には一時的に能力が限定されるが、山口県の気候では栽培上の問題はなっていません。
工場用スポットエアコンとしての地中熱利用
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