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こんにちは、地域密着58年 愛知県日進市の工務店 伊駒建設です。
いつもご覧いただきありがとうございます。
今日は「ニュースレター60建築家と工務店がつくる家づくり・叶えたいマイホームのこだわり」についてご紹介します。
素材感でぬくもりを感じる家

目次
中間領域を孕む棲家 家の中と外、個室と共有、仕事と暮らしなど、境目をゆるやかにつなぐ空間をもつ住まい

南に群生する緑越しに、眼下に眺望が広がる豊かな環境に建つ住宅です。この開けた眺望を最大限に活かしつつ、家族の気配が繋がり立体的に展開する室内空間と空中テラス空間の実現がお施主様の要望でした。1階に寝室と子ども室を、2階に主室と水回りを配し、建物中央の階段によって上下階が繋がる空間構成としています。
2階のLDKは切妻屋根による勾配天井によって大きな気積で空間を包み、南東の眺望に向けてL型に設けた大きな開口と、ポーチ上部に配置したバルコニー空間によって、内外が連続しながら緑に包まれるおおらかな空間を実現しています。室内外に中間領域を内包させること、また開口サイズを丁寧に選択することで、内外が軽やかに連続し、爽やかな空気に包まれ、周囲にそっと心を開いた佇まいをもつ住宅となっています。

- 軒下にポーチと空中テラスを重ね、総2階の立体の中に、中間領域を内包したおおらかな空間です。
- 敷地南に群生する緑越しの外観。2階のLDKからは、この自然豊かな眺望を獲得しています。
- 2階のLDK。木製の勾配天井が空間をおおらかに包み、L型に連続する開口部によって外部環境に接続します。
4.寝室の障子越しに、室内土間空間とポーチ土間が接続し、内外を柔らかく繋いでいます。
- 家族の気配を立体的に繋ぐ階段空間。吹抜壁面に木毛セメント板を採用し、存在感のある壁面としています。
- 玄関、寝室、子ども室とを繋ぐ室内土間空間。互いの適度な距離感を作っています。
建築家プロフィール
吉田 豊 Yoshida Yutaka
1972年 大阪府生まれ
1995年 広島大学工学部第四類建設系卒業
1997年 広島大学大学院工学研究科
環境工学専攻修士課程修了
1997年 村上徹建築設計事務所勤務
2002-2021年 広島工業大学非常勤講師
2008年 吉田豊建築設計事務所設立
2010-2021年 呉工業高等専門学校非常勤講師
2021年 岡山県立大学デザイン学部建築学科教授
2021年 広島大学工学部第四類建設系客員教授
建築家 おススメケンチク 自然光で全ての作品を照らす美術館

建築を学び始めた頃に行った国立西洋美術館に再度、訪問する機会がありました。
以前は窓が多い程度の感想でしたが、今回は全く違いました。まず、どの絵にも自然光を充てて絵を見せようとする自然大好き人間(コルビジェ)の意地を感じました。
そして背の高い人なら頭が当たりそうな黒い天井も、壁が抜けていてそこから見える赤い壁も、昇れない階段も、全てそこにいる人を含めて美しく見えるように考察された彼の作品と認識しました。どこを撮っても美しい写真になる不思議。帰り際、外に出て振り返り外壁は石ころの集まりだと気づき、身近にある素材の美しさを感じました。結局、建物しか見ずに帰途についたので、作品を観るのは次回になりました。
A r chit ect:ル・コルビジェ(フランス)
Location: 東京都台東区上野
左:上部のガラス張り空間から採光を取り入れる照明ギャラリー(現在は蛍光灯が入っているらしいが)
右:緑がかった玉石が埋め込まれた外壁、大小さまざまな長方形で区切られている
三島 史子Mishima Fumiko
三島史子建築設計事務所
趣味:神社めぐり、アニメ鑑賞、バスケ、晩酌
建築家 おススメライフ 再び訪れたい空間

ジェフリー・バワ、建築史には出てこないかもしれないスリランカの建築家。
彼は地形・敷地・環境に合わせて、心地よい空間を創ってきました。
例えば、エステート・バンガローは巨石にコンクリートの梁を渡し屋根を掛けただけですが、地形に合わせた空間がとても気持ちよいです。ジャヤワルダナ・ハウスも同様です。大きな屋根の下にはダイニングテーブルと椅子が並び、外部と半外部の境界が曖昧に繋がります。ヘリタンス・カンダラマでは予定されていた敷地ではインスピレーションが沸かず、バワは別の敷地を提案しました。お施主様にもその地形と環境を気に入っていただき、最終的に敷地を変更することになりました。
地形・敷地・環境を生かした優しく穏やかな空間を創ってきた建築家ジェフリー・バワから多くを学びました。来年もその学びを深めるために、スリランカを訪れます。
ロビーとプールの先にインド洋がホテルの敷地のように繋がっている(ヘリタンス・アフンガラ)
巨石に屋根を掛けた空間(エステート・バンガロー)
左:内部と外部という概念さえ消し去った空間(ジャヤワルダナ・ハウス)
右:敷地内の巨石をそのまま内壁として生かしたデザイン(ヘリタンス・カンダラマ)
澤野 眞一Sawano Shinichi
株式会社澤野建築研究所
趣味:テニス、陶芸、旅行、料理
Topics1 旅は、新しい「物事の見方」を探すこと

今年の夏休みは、5 泊6日で台湾を旅してきました。台南と台北を巡り、食と街のパワーを心ゆくまで満喫した時間でした。特に印象的だったのは、古き良き歴史を大切にしながらも、現代の暮らしにフィットするように工夫された街の姿です。日本統治時代の古い建物が残る台南から、歴史と現代が融合する台北へと移動する中で、その変化の過程を肌で感じました。台北では、歴史的建造物をリノベーションしたホテルに宿泊しました。もとのデザインや趣を残しつつ、今の暮らしにフィットするように配慮された空間は、とても心地よかったです。ふとデスクに目をやると、アメリカの小説家ヘンリー・ミラーの言葉が書かれていました。
「旅人の目的地は決して場所ではなく、新しい物事を見る方法なのだ」この言葉は、建築家との家づくりにも通じるものがあると感じます。私たちは日々の生活の中で、「こうあるべき」「これが当たり前」という固定観念に縛られがちです。しかし、建築家は、台湾の街並みがそうであるように、今あるものの良さを活かしながら、新しい発見や視点を与えてく
れる存在です。それはまるで、初めて訪れる土地で新しい発見をする旅のよう!
建築家との対話を通じて、これまでの常識を問い直し、本当に大切にしたいことを見つけることができます。ぜひ、建築家との家づくりを旅をする感覚で楽しんでみてください。その先に、まだ見たことのない、あなただけの新しい暮らしが待っているはずです。
写真:台南にある親水公園「河楽広場」/MVRDV(オランダのロッテルダムを拠点とする建築家集団)中国城というショッピングセンターの地下構造体を再利用して水遊びの出来る広場に再生。
編集部H.M.
Topics2 「表札」の話

新居に越して半年、ようやく我が家の「表札」を注文しました。賃貸暮らしが長かった私にとって、表札は初めてのこと。「住まいの顔」であり、一度設置すれば長く使い続けるものだと思うと、つい慎重になってしまい、あっという間に半年が経ってしまったのです。
ご近所を散歩しながら素敵な表札を参考にさせていただくうちに、「そもそも表札はいつからあるのだろう?」と気になり、歴史を調べてみました。
日本で表札が一般化したのは、郵便制度が整った明治時代。入り組んだ住所だけでは家を特定しにくいため、名前を示す必要があったのが始まりだそうです。一方、欧米では通りの名前と番地で家を識別する習慣で、日本のように家族の名前を大きく掲げる様子はあまり見られません。表札は、日本独自の文化とも言えるのですね。
そして現代、表札の役割は単なる「標識」から「表現」へと進化しています。素材は、温かみのある陶器や木製から、シャープなアイアン、透明感のあるガラスまで実に多種多様。漢字かローマ字か、またフォント一つでも印象は大きく変わります。表札は家族の個性やライフスタイルを物語る、重要なデザインの一部となったのです。
たくさん悩んだ結果、我が家はブラックのアイアン素材で、ローマ字のシンプルなフォントでお願いすることにしました。完成まで約1カ月、今から届くのがとても楽しみです。
編集部S.H.
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